巣ごもり需要でDIYやプラモデルに注目が集まっている昨今、
研磨の基礎を知っているか否かで仕上がりに差が出るなんて……
実は出るのです!
ホームセンターで購入してきた角材の先端はツルツルで綺麗ですよね。
それが、自分でのこぎりを入れた途端に切り口はギザギザ、とげとげになってしまいます。
その角材の断面には無数のトゲがあり、放置すれば怪我は避けられません。
そこで活躍するのが研磨材です!
紙やすり(サンドペーパー)を使ってギザギザの断面を磨きツルツルの綺麗な状態にしていきます。
このひと手間で、不用意な怪我を防ぐことができることだけでなく、仕上がりレベルも格段に上がります。
後で塗装するから大丈夫と思っているそこのあなた!
塗装前に研磨工程を入れるだけで塗料のノリが格段に上がります!
DIYで1UPするために、今回は研磨材の基礎について学んでいきましょう。
目次
1. 研磨材ってなに?DIYやプラモデルで研磨加工をする目的とメリットってあるの?
2. DIYやプラモデルで研磨加工をしてみたい!研磨材の構造を簡単解説
3. DIYやプラモデルで研磨材の選び方を伝授!正しい研磨材で仕上がりは向上する?
4. DIYやプラモデルでおすすめの三共理化学の研磨材3選
5. DIYやプラモデルで用途に合った研磨材を使ってレベルアップを図ろう
1. 研磨材ってなに?DIYやプラモデルで研磨加工をする目的とメリットってあるの?
そもそも研磨材とは何なのでしょうか。
研磨材にも様々な種類がありますが、一般的には基材(きざい)に砥粒(とりゅう)と呼ばれる微細な粒子を接着したものを指し、その砥粒の凹凸によって研磨するイメージを持ってもらうと分かりやすいと思います。
その研磨材を使った研磨作業を一般的に<研磨加工>と呼び、研磨加工によって製品の表面の凸凹を均等にならしてバリを除去したり、鏡面仕上げのようにピカピカに光沢を出すことも可能です。
研磨加工では、表面の凹凸を軽減し、鏡面に近いピカピカの状態へ仕上げることができるので、外観の向上、サビや汚れの付着防止など様々な付加価値を生み出します。
そのため、多くの製造現場においても製品の品質や外観を向上させるべく、最終工程に研磨加工が導入されています。
しかし、研磨加工が活躍するのは、製造現場だけではありません!
DIYやプラモデルで必須の作業と言えば、切断ですよね。
そのあとに研磨を入れることで、外観の向上に大きく貢献します。
驚く方もいるかもしれませんが、実は<研磨加工>にはこんなにたくさんのメリットがあるのです。
研磨加工のメリット
・表面をなめらかにして、外観の向上が可能
・表面のサビや汚れを除去できる
・旧塗膜を剥がすだけでなく、塗装前の下処理にも使用可能(塗料の密着性が向上)
・精度の最終調整ができる
たった1作業でこれだけのメリットがあるなら研磨してみても良いかなと思った方も多いのではないでしょうか。
研磨を始めよう!そう思ってもたくさんある研磨材からどれを選んだら良いのか悩みますよね。次に研磨材の基本構造と選び方をご紹介いたします。
2. DIYやプラモデルで研磨加工をしてみたい!研磨材の構造を簡単解説
研磨加工では、プラスチックをはじめとした樹脂から金属、木材等様々な素材が対象になります。
比較的柔らかいプラスチックや木材はともかく、非常に硬いイメージの金属や石材を削ることができる研磨材がどのようにできているのか気になる方もいるのではないでしょうか。
先程、研磨材は基材(きざい)に砥粒(とりゅう)と呼ばれる微細な粒子を接着したものと説明しました。
研磨材の構造をもう少しだけ詳しく見てみましょう。
a) 基材(きざい)
多くは紙、布及びフィルムですが、研磨材の主材となる部分です。
b) 接着剤1
砥粒を基材に固定するために接着剤で固めます。
c) 砥粒(とりゅう)
研磨材の主役の砥粒です。砥粒の粒度や種類によって研磨性が大きく変わります。
d) 接着剤2
研磨の際に砥粒が脱落しないようにしっかり固定するためにもう一度接着剤で固めます。この接着剤の種類によっても研磨の性能が大きく変化します。
e) (目詰まり防止剤)
空研ぎで使用する研磨材には目詰まり(削りカスが研磨を妨げる現象)を防止する目的で最表層に目詰まり防止剤が塗布されていることがあります。
誰もが知っている紙やすりの多くもこのような構造をしています。
見た目は紙のように薄いのに何層も塗り重ねられているなんて驚きですよね。
この構造を踏まえて研磨材を選定する際のポイントをお教えいたします!
3. DIYやプラモデルで研磨材の選び方を伝授!正しい研磨材で仕上がりは向上する?
研磨材を選ぶポイント3つ
(1) 形状
(2) 砥粒種
(3) 粒度
この3つを押さえればあなたの求める研磨材に出会える可能性はぐっと高まります。
それぞれ順番に詳しく見てみましょう。
(1) 形状
まず、あなたが削りたいものの大きさを考えましょう。
例えばプラスチックの5センチメートル程度の部品の場合、小面積の研磨ですので手作業で細かい部分を研磨した方が良い仕上がりになることが予想されます。紙やすりを好きな大きさにカットして使うのがおすすめです。
一方、2メートルの鉄製の薄い板を全面研磨したいのであれば、手作業では日が暮れてしまします。
サンダーなどのエアー(電動)研磨工具に取り付けて使用するシール加工やマジックテープ加工がされた研磨材を選びましょう。
(2) 基材と砥粒種
次に基材と砥粒種を選択します。
この時重要なのが、あなたが研磨したいものの材質と研磨の目的になります。
まず材質ですが、大まかに、プラスチックや木材、塗膜(塗料が塗布してあるもの)であれば、一般的な紙やすりを選んで問題ありません。
仕上げ工程にフィルム基材の研磨材を使用すれば、より精密な仕上がりになります。
一方、金属などの比較的硬度のあるものを削りたい場合は布やすりの方が耐久性があるのでおすすめです。
また、砥粒種は、細かく説明すると、褐色アルミナ(A)、白色アルミナ(WA)、黒色炭化ケイ素(C)、緑色炭化ケイ素(GC)、ジルコニア、セラミック、ダイヤモンドと様々な種類があるのですが、簡単な使い分けをご説明します。
あなたの研磨の目的を考えてみましょう。
サビ取りや塗装前の下処理などの粗削りに使用するなら褐色アルミナ(A)、白色アルミナ(WA)のように鋭利でよく切れる砥粒を使用した研磨材を使用しましょう。
対して、仕上げや鏡面仕上げを目指して光沢を出したい場合には、黒色炭化ケイ素(C)、緑色炭化ケイ素(GC)を使った研磨材の方が仕上がり良く研磨できます。
ジルコニア、セラミック、ダイヤモンドは主に硬い金属を対象に研磨するときに使用します。
(3) 粒度
最後に完成度を大きく左右する粒度です。
粒度は砥粒の大きさを指します。粒度の数字が大きくなるほど、細かい仕上がりの研磨材になります。粒度の規格は、#12(粗)~#20000(細)と幅広く設定されていますが、粗研磨(~#400)、中研磨(#500~#1200)、仕上げ研磨(#1500~)と大まかに覚えておくと便利です。
事前に複数粒度準備しておき、実際に使用する前には、目立たないところで試しながら、あなたのお好みの仕上がりを探してみてください。
ちなみに砥粒の大体の大きさを知りたいときに役に立つ公式をご存知でしょうか。
<15000÷粒度>で求めることが可能です。
(例)粒度#400の砥粒は、15000÷400=37.5となり、砥粒の凡その大きさは約38ミクロンです。
4. DIYやプラモデルでおすすめの三共理化学の研磨材3選
三共理化学といったらやっぱりこれ!ロングセラー製品
おすすめ製品1: 耐水研磨紙 (三共理化学株式会社)
耐水ペーパーの中では一番よく見かける?
— Pocket’s Gunsmithing@スチェキン、ハイスタH-Dミリタリ&猫に関するツイート (@PocketPistolPTY) December 4, 2020
三共理化学・FUJI STARブランドの耐水紙やすり。
粗〜細かいものまで、色んな番手が揃ってるのが嬉しいですね。
#320とか#500も中々使い勝手が良いです。 pic.twitter.com/V0XgoFrYbd
粒度ラインナップが豊富で、少量から購入可能なのも人気の秘密です。
特にLCCSシリーズは柔らかく、曲面に馴染むので、プラモデルなどの細かい作業に最適です。
三共理化学さんのLCCの紙やすりようやく確保… pic.twitter.com/shn5jx5mVH
— シュテル(旧:狸丸)@オメガモンX抗体製作中 (@stern_modeling) November 14, 2021
最後に研磨するだけで、見違える仕上がりに
おすすめ製品2: 超精密研磨フィルム (三共理化学株式会社)
裏のストロボ面。プラスチック研磨フィルムで磨く。 #4000
三共理化学 超精密研磨フィルム4枚入り #4000 https://t.co/uLvQwHVkWZ pic.twitter.com/FlwFmVKgRs— kk (@sl_1200a) September 29, 2019
耐水研磨紙と同じで使いたい分だけカットして使えるので、コスパ抜群です!
Amazonで三共理化学 超精密研磨フィルム 10000番 買ったのが届きました。アケコンの天板が傷だらけなのでどうしようか考えて磨くことにしたんですよ。で最初はコンパウンドを買おうと思ったんだけどこっちが面白そうだったのでこれにした。 pic.twitter.com/N5kTgVEzpv
— MaskedRiderZ (@kaizer_zero) August 2, 2019
サビ取りから塗装の下準備である足付けまで大活躍間違いなし
おすすめ製品3: ケンマロン (三共理化学株式会社)
錆落としにはやっぱりケンマロン・スーパーですね(*‘∀‘)#yokoito#kyoto pic.twitter.com/7ocNT3Am3d
— 足立 正 (@ohmistar) October 18, 2019
ナイロン不織布に砥粒を塗布し、優れた研削性を維持し、目詰まりしにくい構造になっています。
弾力性に優れるため、曲面でもなじみが良いのが特徴です。
塗装の下準備の足付けとしても使用できますので、サビ取り後に塗装する場合にもピッタリなアイテムです。
明日ホイール塗装する下準備ではがせる塗料剥がしてたけど思ってた以上に貼り付いてて苦戦した
あとはケンマロンでひたすら磨いて準備完了 pic.twitter.com/6QHP8CEanO— さうす (@N3_Bl5) May 3, 2018
5. DIYやプラモデルで用途に合った研磨材を使ってレベルアップを図ろう
今回は研磨材の基礎知識からDIYやプラモデルに便利な三共理化学の研磨材のご紹介をしました。
ものづくりに研磨加工を取り入れることによってあなたの作品も更なる高品質に近づくに違いありません。
対象物と求める仕上がりに合った研磨材を選ぶことも大切です。
一見地味で脚光を浴びることの少ない<研磨材>ですが、実はものづくりを支える大事なコンテンツなのです。
そんな研磨材の製造・研究を始めて90年以上の三共理化学製品は国内生産の高品質な研磨材を数多く製造しております。
粒度ラインナップも豊富ですので、あなた好みの理想の仕上がりをご提案できます。
研磨にご興味のある方はお気軽に三共理化学へお問い合わせください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
研磨のことなら三共理化学株式会社にお任せください!
◆研磨材から研磨装置まで幅広く取り揃えております◆
◆安心安全の国内生産、ベルト、ロール、シート様々な形状に対応◆
研磨方法やお見積りなどお気軽にご相談ください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――