シルバーアクセサリーなどの銀小物をお持ちの方、黒ずみに一度は悩んだことがあるのではないでしょうか?
銀はその光沢が魅力の一つ。シルバー小物って少しでもお手入れを怠るとすぐ黒ずんでしまって、とても手がかかるイメージがありますよね。
一体あの黒ずみは何なのでしょうか?サビ?それとも汚れ?
銀製品が黒ずんだ時はどのようなお手入れが良いのでしょうか、そんな疑問を持たれている方必見!
今回は、シルバーの美しい輝きを取り戻すために知っておきたい黒ずみ発生のメカニズムと黒ずみの取り方をご紹介します。
目次
1. そもそもシルバーに発生する黒ずみって一体何?研磨で取れるの?金や銀は錆びないって聞くけど本当?
2. 銀についた黒ずみを研磨で取り除くことはできるの?黒ずんだシルバーアクセサリーのお手入れ方法とは?
3. 実際に黒ずみがあるシルバーのフォトフレームを研磨してみた!銀製品の正しいお手入れ方法!
4. 銀製品のお手入れ後の管理は重要!せっかく研磨して黒ずみを落としたシルバーだからその輝きを維持しよう!
5. シルバーのお手入れや管理を見直して銀の光沢を楽しもう!
1. そもそもシルバーに発生する黒ずみって一体何?研磨で取れるの?金や銀は錆びないって聞くけど本当?
シルバーアクセサリーの大敵、黒ずみ。
特に保管状態が悪かったわけでもないのに気が付いたら銀の輝きが失われていたなんてよく聞く話です。
実はこの黒ずみ、気を付けてもなかなか防げないのには理由があったのです。
まずは、黒ずみの原因から探ってみましょう。
この黒ずみ、名前の通り、黒いのでサビと勘違いしている方も多いですが、サビではありません。
そもそも金や銀は鉄や銅に比べ、非常に錆びにくい性質を持っています。
例えば、かなりの高温まで加熱するなど、特別な状況下でなければなかなか酸化しないのです。
この黒ずみの原因には、硫化と塩化が関係しています。
順番に見てみましょう。
・硫化
硫黄と銀が化学反応を起こすこと(硫化)によって、硫化銀の被膜を形成します。
この硫化銀こそ、黒ずみの原因です。
例えば、シルバーのアクセサリーをつけて天然温泉に入ったら、アクセサリーが黒ずんでしまった、そんな体験をしたことはありませんか?
この現象がまさに硫化です。温泉には硫黄成分が含まれていることが多く、この硫黄が銀と化学反応を引き起こします。
硫化なんて毎日温泉に行くわけじゃあるまいし、普段の生活で起こらないのでは?
それは大きな間違いです!実は空気中に硫黄は微量に含まれています。
そのため、引き出しで保管している(=空気に触れる)のに黒ずんでしまいます。
これが長期間引き出しにしまっていたシルバーアクセサリーがいつの間にか黒ずんでしまう原因です。
・塩化
銀の黒ずみの多くが硫化によるものですが、まれに塩化という現象が原因の可能性もあります。
銀に塩素が触れることで塩化銀の皮膜が形成されることを塩化と呼びます。
例えば、シルバーアクセサリーが塩素系漂白剤やドライクリーニング後の服に触れることで、黒ずみが発生します。
厄介なことに、2種類の黒ずみは見分けるのが極めて困難なのです。
塩化による黒ずみは硫化によるものと比べて、非常に頑固で一般の黒ずみ除去用のクリーナーは効きません。
研磨剤や研磨布で表面の黒ずみ自体を研磨して除く必要があります。
2. 銀についた黒ずみを研磨で取り除くことはできるの?黒ずんだシルバーアクセサリーのお手入れ方法とは?
銀小物についた黒ずみ、もちろん水や洗剤で洗っても全く取れません。
銀の黒ずみの取り方が分からなくて、高価なシルバーアクセサリーがお蔵入りになっている方は、今すぐ磨いて綺麗にしましょう!
時間が経てば経つほど、黒ずみは固着してしまいます。早めの対処が重要なのです。
3. 実際に黒ずみがあるシルバーのフォトフレームを研磨してみた!銀製品の正しいお手入れ方法!
思い立ったが吉日!
早速、以前から気になっていた黒ずみのあるシルバーのフォトフレームを持ってきました。
数年間飾ったまま放置していたためか、黒ずみがひどい状態です。
~準備するもの~
・市販のコンパウンド(仕上げ用)
今回は、<POLI Lab 最終仕上げ用>を使用しました。
・拭き取り用の布
今回は、<ふきっとる>を使用しました。
手順
(1) <POLI Lab 最終仕上げ用>をよく振り、<ふきっとる>に少量取る。
(2) 表面を均一に擦って磨く。
一度に広範囲を磨くのではなく、パーツに分けて少しずつ研磨するのがコツ!
コンパウンドには研磨剤が入っており、黒ずみを削り取ることができます。
研磨剤は「削る」行為であるため、黒ずみが取れるだけでなく、製品に傷がついてしまう可能性もあります。
少しずつ様子を見ながら磨いてみましょう。
※いぶし加工やメッキ処理された製品には、行なわないでください。メッキ等がはがれてしまう可能性がございます。
研磨を続けると、黒ずみが取れてきました!
シルバーの研磨をしていると、<ふきっとる>が黒くなってきました。
これは汚れではなく、磨いた銀が付着したものです。
まだ黒ずみが残っていると思ってやりすぎないように注意しましょう。
(3) 最後に水でよく洗い、清潔な布で水分を拭き取ります。
一通り研磨が終わったので、前後の比較を見てみましょう!
研磨前
研磨後
研磨前
研磨後
完全にシルバーの黒ずみがなくなり、銀特有の輝きを取り戻しました。
今回はサクッと磨いただけですが、さらに鏡面磨きをすることも可能です!
鏡面磨きに興味がある方はこちらをご参照ください。
https://p-its.sakura.ne.jp/sankyo_form/blog/kinzoku-kenma/
今回使用したコンパウンドと拭き取り用の布をご紹介します。
研磨の仕上げといったらやっぱりこれ!
おすすめ製品1: POLI Lab 最終仕上げ用(三共理化学株式会社)
製品の詳細はこちら
研磨のお供に必須!使いやすいポップアップ式のウエス
おすすめ製品2:ふきっとる(三共理化学株式会社)
1枚ずつ取り出せるポップアップ式の高級綿ウエスです。
継ぎ目がなく、洗濯も可能です。自動車修理工場、板金塗装作業、一般工場での油拭き、汚れ取りに最適。
製品の詳細はこちら
4. 銀製品のお手入れ後の管理は重要!せっかく研磨して黒ずみを落としたシルバーだからその輝きを維持しよう!
前章でご紹介したフォトフレームの黒ずみは無事落とすことができましたが、黒ずみの度にわざわざ研磨しないといけないのかと気持ちが沈んでしまった方、安心してください。
シルバー製品の黒ずみは使った後のお手入れをしっかりすれば、ある程度防ぐことは可能なのです。
・使用後は必ず拭き取りする
特にシルバーアクセサリーですが、使用後の表面には多くの皮脂が付着しています。
外した後は、柔らかい布(眼鏡拭き等の傷がつきにくいもの)で乾拭きすることを忘れないようにしましょう。
夏場のように多く汗をかいてしまった場合には、流水で軽く洗い流し、乾いた柔らかい布で水分を除去する方がより良いでしょう。
・長期に渡って保管する場合は、ジップ付きの保存袋に収納する
長期間使用しない場合は、ジップ付きの袋で保管し、空気との接触を少なくすることによって黒ずみの発生を抑えることが可能です。
保管の際には柔らかい布で包んでから袋に収納することで同時に傷も防ぐことができます。
・衣類付近での保管を避ける
漂白剤を使用して洗濯した衣類に銀製品が付着すると塩化によって黒ずみが発生します。
保管の際は、衣類に触れることのないように気を付けましょう。
5. シルバーのお手入れや管理を見直して銀の光沢を楽しもう!
今回は銀製品の黒ずみの取り方についてご紹介しました。
研磨材と聞くとついつい紙やすりを思い浮かべてしまいますが、実はコンパウンドのような液体研磨剤も存在します。
一般的に液体研磨剤は磨きに使用されることが多いので、仕上げの研磨には最適です。
しかし、研磨材という製品の性質上、今回ご紹介した方法は表面を削り落としているにすぎず、対象物に微細な傷がついてしまうことは避けられません。
研磨する前に目立ちにくい部分で一度試してみることをお勧めいたします。
黒ずみ発生のメカニズムやお手入れ方法を学んで、身の回りのシルバーアクセサリーや銀製品を磨いてピカピカにしてみましょう。
研磨にご興味のある方はお気軽に三共理化学へお問い合わせください。
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